お役立ちコラム

コンクリート打設とは何?作業工程と注意すべきポイントについて解説

2023年01月30日

「コンクリート打設って何?」
この言葉に聞きなれない方も多いでしょう。
コンクリート打設について、コンクリートの特徴や使われ方から説明するので、理解が深まります。

作業工程や作業上注意すべきポイントについても解説するので、ぜひご覧ください。

コンクリート打設とは何?作業工程と注意すべきポイントについて解説

コンクリート打設とは何か

コンクリート打設とは、型枠に生コンクリートを流し込む作業を指します。
生コンクリートが固まって、建物の基礎であるコンクリートとしての、重要な役割を担うのです。

生コンクリートは限られた時間ですぐに固まってしまうため、手際よい作業が求められます。

コンクリートの特徴と使われ方を解説

コンクリートとは、以下の4つを混ぜ合わせて作る建築用の石材です。

● セメント
● 砂利(粗骨材)
● 砂(細骨材)
● 水

砂利が素材に含まれていないモルタルと比較すると、強度が高いのが特徴です。
その特徴を生かし、建築物の構造体や道路、ダム、橋、トンネル、港湾設備など、街中で広く使われています。

コンクリート打設の作業工程は5つ

型枠に生コンクリートを流し込む、コンクリート打設の作業は、5つの工程に分けられます。
それぞれの工程について、作業内容を解説します。

1.計画を立てる

まずは事前の打ち合わせとして、打設工法や作業手順の確認、作業日程の調整などを行います。
発注する生コンクリートや、資材や重機についてもその種類や数量を確認しておきます。

作業場所の安全確保も大切です。
バリケードなどを使い、関係者以外の立ち入りを禁止するなど、しっかりと対策を講じましょう。

2.生コンクリートを流し込む

受入検査で問題がなければ、その生コンクリートを、ベニア板で作った型枠内へ流し込みます。
この作業を打ち込みといいます。

生コンクリートは限られた時間で固まってしまうので、90分ほどを目安に作業しましょう。

3.型枠内全体に充填させる

流し込んだ生コンクリートは、バイブレーターなどを使い、型枠内全体にくまなく充填させます。
この作業を締め固めといいます。

強度を高めるために、余分な空気が含まれないようにする作業です。
打ち込み作業と合わせ、固まってしまう前にこちらも素早く作業しましょう。

4.表面を整える

締め固めが終わったあとは、コテなどを使い、表面をきれいに整えます。
仕上げの作業です。
表面の凸凹をなくして水平均一にします。
見た目もありますが、基礎部分としての役割が、その主な目的です。

5.養生をして固まるのを待つ

最後に、コンクリートが固まるのを待つ間、養生をします。
養生とは、一般的には作業の対象物を汚れや傷から守るための事前対策をいいます。
コンクリート打設後の養生は、シートなどを使い、固まるのを待つ間、必要な湿度を保つのがその主な目的です。

最低1週間ほどは、乾燥による水分の蒸発を防ぐために、しっかりと養生をしてコンクリートを守りましょう。

雨が降ったらコンクリート打設は中止!

コンクリート打設は天候の影響を受けます。
雨が降る日は施工を避けましょう。
施工中に降雨を確認した場合は、その時点で作業を中断しましょう。

降雨時の作業中止のポイントは以下の2つです。

● 生コンクリートを流し込む作業の間(打設中)は、水の割合が増えて強度が下がるので避ける
● 表面を整える作業の間(打設直後)は、表面に雨跡がつくので避ける

表面を整える作業を終えて5〜6時間経過していれば(打設後)、コンクリートが固まるので、降雨の影響は気にする必要がありません。

コンクリート打設計画時の確認ポイントは4つ

コンクリート打設の最初の工程である計画は、そのあとの施工を失敗なく行うために、大変重要な作業です。
確認すべき計画時のポイントを4つあげ、それぞれについて解説します。

1.打設工法

打設工法には主に次の2つがあります。

● コンクリートポンプ工法
● コンクリートバケット工法

現在はポンプ工法が広く普及して主流になっています。
鋼製のバケットに移し替えて小移動するバケット工法に比べ、ポンプを使い、多量の生コンクリートを連続して充填できるのが特徴です。

現場に適切な工法を選び、そのために必要な道具や重機を、計画的に用意する必要があります。

2.コンクリートの仕様

コンクリートの仕様はJISで規定されています。
その種類や品質を事前に決めます。
以下が、その確認事項です。

● コンクリートの種類
● 固まったときの強度
● 生コンクリートの柔らかさ
● 粗骨材の最大寸法
● セメントの種類

計画に基づいて生コンクリートを発注し、受入時にはそれが使用条件に合致したものか、十分に検査をします。

3.作業工程

原料となる生コンクリートや資材の発注から、打設、打設後の養生までの、作業日程を定めます。
特に打設時は、天候も予想したうえで予備日を設けるなど、余裕を持った日程調整が必要です。

限られた時間で生コンクリートは固まってしまうので、当日の綿密な段取りや的確な人員配置を心がけましょう。

4.養生方法

打設後の養生方法を定めましょう。
養生をするに当たり、どのような資材を使うのかも決めておきます。
一般的に使用されるブルーシートのほかにも、吸水性のある養生マットなどを使用する場合もあります。

まとめ

本記事では、コンクリート打設が何かについて、コンクリートの特徴や使われ方から説明しました。
生コンクリートを型枠に流し込む、作業工程についても解説したので、理解が深まったでしょう。

降雨時はコンクリート打設は中止するなど、注意事項についても記しているので、作業をする際にはぜひ参考にしてください。