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産廃とは何の略称なのか?基本情報・該当廃棄物・処分方法を解説

2023年01月28日

「産廃とは何の略称なのだろうか?」
「産廃に該当するゴミは何か知りたい」
このような疑問を抱えていませんか?

事業者の方は廃棄物に関わる機会が多いものの、理解できていない方もいるでしょう。
本記事では、産廃とは何かを詳しく解説します。
また産廃の基本情報や該当するゴミの種類、処分方法などについても紹介しています。

記事を読めば産廃とは何か、処分時に何に気をつけるべきかわかるようになります。
産廃について詳しく知りたい事業者の方は、ぜひご覧ください。

産廃とは何の略称なのか?基本情報・該当廃棄物・処分方法を解説

産廃とは産業廃棄物の略称|事業活動で生じるゴミ

産廃は、産業廃棄物の略称です。
各家庭から出される一般ゴミと違い、産廃は事業活動で出されるゴミを差します。
排出量の大小に問わず事業所から出たゴミはすべて産業廃棄物となるため、処分には注意が必要です。

産廃の規定は、廃棄物処理法で細かく決められています。
爆発性・毒性のある産廃は「特別管理産業廃棄物」と呼ばれ、厳重に管理しなければなりません。

また、廃棄物には産業廃棄物のほかにも一般廃棄物と呼ばれる分類も存在します。
一般廃棄物も家庭用と事業用に分かれるので、廃棄物の種類は多いのがわかります。
種類を間違えて投棄しないためにも、一つ一つについての理解を深めておく必要があるでしょう。

産廃の種類とは?20種ある品目を分類ごとに紹介

産廃の種類は20品目ありますが、その分類は以下の3種類に分かれます。

1. 排出業種が限られる産廃
2. さまざまな事業で出される産廃
3. 廃棄のために処理した産廃

表つきで詳細を解説するので、それぞれについての理解を深めておきましょう。

1.排出業種が限られる産廃

排出される業種が限定されている産廃は、以下のグループに分類されます。

名称 具体例
紙・木・繊維のくず 製造業や建設業で発生した木・繊維のくずまたは製紙業で出される紙ゴミ
動物系固形不要物 と畜場で処理された固形状の不要物
動植物系残さ 食品や医薬品、香料などの製造で発生した不要物や魚・肉の不要物
動物の糞尿や死体 と畜産業で排出される家畜の死体や糞尿

畜産業や漁業、建設業や製紙業などの産業廃棄物が、分類されるケースが多いです。
動物の死体やし尿、魚をさばいた残りなども産廃として処理されるのがわかるでしょう。

2.さまざまな事業で出される産廃

業種を限定せず、あらゆる事業で出る産廃は以下のグループに分類されます。

名称 具体例
燃えがら 石炭や焼却炉の残灰などの燃え残り
汚泥 排水処理や製造工場で発生した泥状のもの
廃油や廃酸 鉱物性油や動植物性油、酸性液体などの廃棄物
廃アルカリ 金属石鹸廃液のようなアルカリ性廃液
廃プラスチック類 樹脂や合成繊維のくず
ゴムくずや金属くず ゴムや鉄鋼、鉄ではない金属の破片や研磨くずなど
ガラス・コンクリート・陶磁器くず ガラスやコンクリート、陶器類のくず
鉱さい 鋳物の廃砂や溶鉱炉のかすなど
がれき類 新築・改築で生じたがれきの破片
ばいじん ダイオキシン類対策特別措置法に定める特定施設か、産業廃棄物焼却施設で集められたばいじん

無機物系産廃の多くは、同じグループのゴミとして処理されるのです。

3.廃棄のために処理した産廃

産業廃棄物を廃棄するために処理したもので、1・2には該当しないものです。
産廃の処理をする際に、残骸が出ても産業廃棄物として処理しなくてはいけない決まりがあるのです。

コンクリート固形化物のようなものが、産廃の廃棄処理のための廃棄物には該当します。
産廃処理に使った処理材料の残りも、適切な方法でしっかり処理しましょう。

産廃の適切な処理とは?処分の流れ3ステップ

産廃の適切な処分の流れは、以下の3ステップです。

1. 産廃の収集と運搬をする
2. 分別や減量化をする
3. 埋めたり海に投棄したりして最終処分をする

産廃を処理するときは一般ゴミと同じように収集・分別・減量をして、限りある資源の再利用を目指す必要があります。
産廃を自身で処理しようと考えている方は、流れをしっかり確認してください。

1.産廃の収集と運搬をする

排出事業者または委託業者が処理場へ産廃を持っていくために、収集・運搬する段階です。

委託を受けて自身で産廃の収集をする場合には、都道府県から専用の許可を得る必要あります。
産廃を運搬できる車両を許可申請に出し、承認が得られれば収集・運搬ができます。

なお、産業廃棄物の処理基準は自治体により異なります。
そのため、都道府県をまたぐ予定がある産廃業者は必要に応じ、行き来する予定がある自治体すべての許可を取らなければなりません。

2.分別や減量化をする

運ばれた産廃は最終処分前に分別され、原料のための処理が行われます。
これは、廃棄量そのものを減らしたり再利用可能な資源をピックアップしたりする重要な工程のため、必ず行われます。

資源を抜き出した産廃の残骸は、必要に応じ減量化するのが一般的です。
廃棄する産業廃棄物のかさを減らせば、埋め立て・投棄に必要な面積も減ります。

3.埋めたり海に投棄したりして最終処分をする

分別・資源化されなかった産廃は、指定の場所に埋め立て・投棄して処分されます。
よく埋め立て・投棄が行われる場所としては、山や海などが挙げられます。

最終処分できる土地には限りがあるため、今後産廃をどう減らしていくかは重要な課題といえるでしょう。

まとめ

産廃とは、産業廃棄物の略称です。
通常の家庭ゴミと違う基準で処分されるため、事業者は産廃の種類や処分方法を熟知する必要があります。

また産廃は最終的に山や海に投棄されますが、土地には限りがあります。
産廃を減らしていくのは、世界全体の課題といえるのです。
記事をしっかり読み、産廃についてよく理解を深め正しい方法で処分をするように心がけましょう。