お役立ちコラム
土木施工管理技士は1級2級何が違う?試験の難易度や受験資格も解説
2023年01月25日
土木施工管理技士は、7種類ある施工管理技士の一種です。取得すれば現場監督の職務に就け、仕事の幅が広がります。昇給や出世の道も開けます。
土木工事を一生の仕事とする方なら、取得しておきたい資格です。
土木施工管理技士には、1級と2級があります。
この記事では、土木施工管理技士の定義や取得するメリット、さらに1級と2級の違いについて解説します。
資格取得を考えている方は参考にしてください。
目次
土木施工管理技士|どんな資格?|取得するメリットは?
土木施工管理技士とは、7種類ある施工管理技士の1つです。
取得すれば、土木工事において施工管理・品質管理・安全管理などを行えます。
技術者達を束ね、仕事を納期通りに仕上げる監督業務を任せられる資格、と言い換えてもよいでしょう。
取得すれば昇進のチャンスもアップし、資格手当などで給与が増える可能性もあります。
また、より待遇のよい会社を目指して転職する際も取得しておけば大変有利になる資格です。
土木工事を一生の仕事とするなら、ぜひ取得したい資格です。
土木施工管理技士|1級・2級の違いは?
土木施工管理技士には、1級と2級があります。
ここでは、2つの資格区分の違いを解説します。
これから資格取得を目指す方は、参考にしてください。
施工管理ができる範囲の違い
1級と2級では施工管理できる範囲が異なります。
1級は土木工事に関するすべての分野で監理技術者と主任技術者として、施工管理が可能です。
一方、2級は「土木」「薬液注入」「構造物塗装」の3つの分野に分かれており、取得した分野で主任技術者として施工管理ができます。
つまり、1級を取得した方がより幅広い現場で施工管理ができます。
2級も、すべての資格区分を取得すれば1級同様土木工事の現場全般で施工管理が可能です。
しかし、2級をすべて取得するより、どれか1つを取得して1級取得を目指す方が大半です。
受験資格の違い
土木工事に限らず、施工管理技士受験資格として一定期間の実務経験が必要です。
実務経験の期間は学歴によって以下のように決まっています。
1級 | 2級 | |
大学 | 指定学科3年以上
指定学科以外4年6か月以上 |
指定学科1年以上
指定学科以外1年6か月以上 |
短大・専門学校を卒業し、高度専門士を称する者 | 指定学科5年以上
指定学科以外7年6か月以上 |
指定学科2年以上
指定学科以外3年 |
高校・専門学校 | 指定学科10年以上
指定学科以外11年6か月以上 |
指定学科3年以上
指定学科以外4年6か月以上 |
そのほか | 15年以上 | 8年以上 |
なお、指定学科は国土交通省令で定められた学科です。
試験を主催している全国建設研修センターのホームページで確認できます。
土木施工管理技士の場合は、土木工学学科が該当します。
また、2級を取得すれば最短で監理技術者の指導を受けた実務経験が2年以上を含む3年以上の実務経験で1級の受験資格が取得可能です。
一朝一夕で取れる資格でないからこそ、価値があります。
施工管理できる現場の違い
土木施工管理技士2級を取得すれば、主任技術者になれます。
主任技術者は、建築業許可を受けた業者が建築工事を行う現場では、必ず配置しなければなりません。
一方、1級は主任技術者のほか、監理技術者にもなれます。
監理技術者とは、主任技術者を配置しなければならない建築工事の中で、「工事を施工するために締結した請負金額の合計が4,000万円(建築一式工事の場合は6,000万円)以上の工事現場」において、主任技術者に代わって配置される技術者です。
土木施工管理技士|取得するなら1級を目指そう
土木施工管理技士は2級でも常に一定の需要はあります。
しかし、より幅広い現場で施工管理を勤められる1級のほうが、より需要は高めです。
任される現場が大きくなれば、給与アップする可能性も高いでしょう。
また土木施工管理技士の1級を取得すれば、フリーの現場監督として独立できます。
自営業者には定年がありませんので、施工管理ならば60歳以上でも勤められます。
近年はシルバー世代が長く働ける仕組みも整ってきたので、「できる限り長く働きたい」といった方も1級取得を目指しましょう。
土木施工管理技士|試験内容を解説
土木施工管理技士の試験には、第一次検定と第二次検定があります。
第一次検定に合格しなければ、第二次検定は受検できません。
2020年までは学科試験、実地試験といわれていましたが、2021年度より名称だけでなく内容や一部の受験資格も変更されました。
1級・2級とも第一次検定に合格すると、「技士補」の資格を取得できます。
土木施工管理技士の試験は原則的に実務経験がなければ受けられませんが、2級の第一次試験だけは、17歳以上なら誰でも受験可能です。
また、土木施工管理技士2級に合格したら、実務経験の条件を満たしていなくても、1級の第一次試験は受けられます。
技士補の資格は、施工管理技士の補佐ができる資格で、特に1級技士補はできる事が多いです。
この改変に伴い、第一次検定の有効期限が撤廃されました。
試験内容は、第一次検定がマークシート方式の試験、第二次検定が記述式の筆記試験です。
土木施工管理技士|試験の難易度は?
土木施工管理技士の試験は、合格率が高めです。
2021年度に行われた試験の合格率は、1級が1次検定60.6%・2次検定36.6%でした。
2級は、1次検定70.7%・2次検定40.7%です。
合格率だけ見るととても易しい試験に見えますが、受験者のほとんどが現役の技師であり、仕事をしながら勉強して試験に臨んでいます。
それでも、3~4割の方が不合格になるのですから、安易な試験ではありません。
まとめ
土木施工管理技士1級と2級では、施工管理できる範囲や監理技術者になれるかどうか、受験資格など、さまざまな違いがあります。
2021年度より「技士補」と呼ばれる資格が新たにできた事により、実務経験がより積みやすくなりました。
土木施工管理技士は受験資格を得るまでにも時間がかかります。
目指す方は、まず2級の1次試験に合格し、技士補になって仕事の範囲を広げましょう。