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【国家資格】クレーン免許は難しい?合格基準や免除項目を解説

2023年02月28日

クレーン運転士の資格が難しいと思われている方も多いでしょう。
クレーン運転士は国家資格の中では合格率が高い資格です。

この記事では詳しいクレーン運転士の資格種類の紹介や資格内容の解説、試験免除についての説明を行います。
この資格の取得を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

【国家資格】クレーン免許は難しい?合格基準や免除項目を解説

クレーン免許が難しいと思われる理由

クレーン免許とはクレーン運転士の資格を指しています。
クレーン免許がなぜ高難易度の資格と思われてしまうのでしょうか?
理由は以下の通りです。

● 独学で取得が困難なため
● 労働安全衛生法に定められた国家資格(免許)のため
● 学科と実技試験があり、どちらも基準点を超えないと不合格になるため

実際は、国家資格の中の合格率は高めです。
クレーン運転士の資格について詳しく解説をします。

クレーンデリック資格の種類|難しい資格はどれ?

以前は、クレーン免許とデリック免許は違う資格でした。
しかし、法改正により2006年4月よりクレーン免許とデリック免許が統合されました。
よって、複合語の資格名はクレーン・デリック運転士に変わっています。

クレーンとデリックは似ている機械ですが、厳密には違います。
定義は以下の通りです。

クレーン ・つり上げに動力装置があり、水平に移動ができる装置

・天井用や移動式も含まれる

・0.5トン未満も存在する

デリック ・つり上げにワイヤーを用いて、マストやブームで移動する装置

・つり上操作する原動機が別置されている

・0.5トン以上である

現在は扱える機械ごとに3種類の資格が存在します。
どのような差があるか、クレーン・デリック資格の3種類の違いを解説します。

クレーン・デリック(クレーン限定)

クレーン・デリックの免許でも、クレーンの使用のみ許されている免許です。
2006年の法改正により、旧クレーン免許を所有していた方は「クレーン限定免許」となりました。
この資格だけでも使用できるクレーンは多いため、有能な資格です。

クレーン・デリック運転士(床上運転式クレーン限定)

つり上げる荷物が5トン以上の床上運転式クレーンの操縦ができます。
床上運転式クレーンは、コントローラーを使いながら、操縦士は床上で操作するクレーンです。
工場や倉庫などでよく見かけるタイプのクレーンで天井クレーンとも呼ばれます。

クレーン・デリック運転士(限定なし)

クレーンとデリック両方の操縦ができる資格です。
厳密にはクレーンとデリックは動作や構造が異なる機械です。
この資格を所有すれば、さまざまな仕事ができるでしょう。

クレーン免許は難しい?受験資格と合格基準の解説

クレーン・デリック免許の受験資格の紹介と、合格基準を解説します。
ほかに所有している資格や実務経験で免除される項目も紹介するので、資格取得の参考にしてください。

受験資格

満18歳以上の方であれば、学歴等に制限はなく誰でも受験が可能です。
満18歳に満たない方は、労働基準法の危険有害業務の就業規則の法令により受験ができません。

合格の基準

合格基準は筆記試験と実技試験それぞれに合格する必要があります。

試験項目 合格基準
筆記試験 各科目ごとに40%以上の正解と、100点満点中60点以上で合格。
実技試験 減点の合計が40点以下

筆記試験と実技試験の両方の合格基準を満たさなければ、資格は取得できません。

筆記試験の内容

筆記試験の科目は以下の通りです。
科目ごとの出題数と配点を確認しましょう。

項目  出題数 点数
クレーンおよびデリックに関する知識 10問 30点
関係法令 10問 20点
原動機および電気に関する知識 10問 30点
レーンの運転のために必要な力学に関する知識 10問 20点

上記の項目ごとに40%以上の正解と、合計60点以上の正解が合格の基準です。

実技試験の内容

クレーンの実技試験は重量物をクレーンで決められた動作する内容です。
試験の注意点は以下の通りです。

● クレーンの運転技術
● クレーンを安全に動かすための合図

動作に対し、上記の項目で減点方式での試験となり、減点数が40点未満なら合格できます。

免除に関する情報

実務経験や所有する資格により免除になる項目が多数あります。

実技試験が免除 クレーン運転実技教習を修了した日から1年以内

・鉱山において5トン以上のクレーンの運転を1か月以上経験

実技試験の一部が免除(運転のための合図) ・床上クレーンの運転実技教習を修了した日から1年以内

・鉱山において5トン以上のクレーンの運転を1か月以上経験

・床上操作式クレーン運転技能講習を修了した者

・小型移動式クレーン運転技能講習を修了した者

・玉掛け技能講習を修了した者

筆記試験がすべて免除 クレーン・デリック運転士(限定なし)の学科試験に合格した日から1年以内
筆記試験の一部が免除( 原動機及び電気に関する知識・力学に関する知識) クレーン・デリック運転士(クレーン限定、床上運転式クレーン限定)の学科試験に合格した日から1年以内
実技試験のすべてと筆記試験の一部が免除(原動機及び電気に関する知識・力学に関する知識) ・クレーン・デリック運転士[床上運転式クレーン限定]免許を有する

・旧クレーン運転士[床上運転式限定]免許を有する

実技試験の一部(運転のための合図が免除)と筆記試験の一部(運転のための合図が免除)が免除 ・移動式クレーンまたは揚貨装置運転士免許を有する

・旧デリック運転士免許を有する

上記資格や実務経験があると優遇されます。

クレーン免許は合格率が高め|実技の方が難しい

クレーン運転士は国家資格(免許)ですが、内容を理解すれば難易度は決して高くありません。
合格率は筆記試験で60%ほど、実技試験は50%ほどの方が合格します。

学科を予習し実技も慌てずできれば合格につながるでしょう。

クレーンは人の操縦が必要|機械作業は難しいので需要が多い

クレーン運転士は専門知識や熟練の技術が必要な仕事です。
危険で咄嗟の判断も問われる仕事のため、AIなどの影響も少ないでしょう。
今後も需要はまだまだあり、安定した業種といえます。

まとめ

クレーン免許は取得者数が少なく、建築業や製造業でも重宝される資格です。
今後も需要が高まると予測される資格です。
紹介した試験の項目や合格基準を確認し検討してもよいでしょう。

一度取得すれば将来ずっと使用できる国家資格になるので、手に職を付けたい方は取得の検討してはいかがでしょうか。