お役立ちコラム

【初心者向け】コンクリート打設の基礎知識と注意点を詳しく解説!

2023年05月31日

コンクリート打設は、建物や道路などの基盤を作る大切な作業です。
初めて作業する場合、どのような点に注意するのか、わからない方も多いでしょう。

本記事では、コンクリート打設の基本的な流れや注意点について解説します。
初心者でも理解しやすい内容なので、建築関係の方、建築業界への就職・転職を検討している方は必見です。

【初心者向け】コンクリート打設の基礎知識と注意点を詳しく解説!

コンクリート打設とは|打ち固めること

コンクリート打設とは、コンクリートを打ち固める作業です。
それにより、建築物の耐久性や安定性が確保できます。
具体例として、建物の基礎部分への施工があげられます。
地震にあった場合、コンクリート打設をすれば倒壊防止が可能です。

また、道路もコンクリート打設により、車両の通行がスムーズにできます。
以上のように、建築物を安定させるためには、必要不可欠な作業といえます。

コンクリートを打設するまでの流れ|9つのステップで解説

コンクリートを打設するには、以下の9つのステップがあります。

1.事前調査を行う
打設場所の地盤調査・周囲の環境調査などを行います。

2.コンクリート打設の工法選択
施工場所や工期・予算などに応じて、適切な工法の選択が必要です。

3.型枠を設置する
コンクリートを流し込む前に型枠を設置します。
型枠とはコンクリートが固まる間、コンクリートを保持する枠です。

4.打設する場所の下地を整える
下地が不安定だと「割れ」・「ひび割れ」が生じるかも知れません。
そのため、下地が不安定な場合は事前補修が必要です。

5.配合に合わせてコンクリートを作る
コンクリートを作る際には、以下の材料が必要です。

・セメント
・水
・砂
・砂利

コンクリートの強度や耐久性は、材料や配合などによって左右されます。

6.コンクリートを打設する
準備ができたら、いよいよコンクリートの打設です。
主な打設工法は以下の2種類です。

・ポンプ工法  ⇒ポンプ車やクレーン車を使用する
・バケット工法 ⇒バケットに入れてクレーンで運ぶ

施工場所や工期、予算などに応じて適切な工法を選択していきます。

7.打設したコンクリートを締め固める
打設したコンクリートを締め固めます。
上記により、コンクリートの密度・強度が向上します。

8.コンクリートが固まるまで待つ
固まるまでの時間は、温度・湿度・気象条件によって異なります。

9.打設面を仕上げる
打設面を仕上げるには表面処理が必要です。
表面処理には、以下の方法があります。

・研磨
打設面に研磨剤を使用し、表面をなめらかにする施工法です。
美観が重視される場合に用いられます。

・塗装
打設面に塗料を塗って美しい仕上がりにします。

・洗浄
打設面を水や溶剤で洗浄し、汚れや染みを落とします。
特に、打設面に汚れや染みがついている場合に効果的です。

・コーティング
打設面に保護層を形成し、耐久性や美観を向上させます。

注意点として、表面処理は専門的な知識が必要です。
ですので、作業を行う際は専門業者への依頼をおすすめします。

コンクリートを打設する際の注意点3選

コンクリートを打設する際は、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
3つの注意点を紹介します。

1.受入検査|品質要件を満たしているかの確認

コンクリート受入検査とは、品質要件を満たしているかどうかを確認する検査です。
検査は5つの項目で確認していきます。

納品書の確認
納品書には、品質に関する情報が記載されています。
納品書を確認すれば、さまざまな情報が得られます。

スランプの測定
スランプとは、コンクリートが流れる性質を表す指標をいいます。
コンクリートが適切な粘性かどうかを確認する測定です。

塩化物量の測定
塩化物量とは、コンクリート中の塩化物量をいいます。
塩害による劣化を防ぐため、塩化物量が規定値以下かどうかを確認します。

空気量の測定
空気量が不足すると、コンクリートの割れ・ひび割れが生じます。
一方、空気量が多いと強度が低下する可能性があります。

圧縮強度の測定
圧縮強度とは、コンクリートの強度を表す指標です。
コンクリートが受ける荷重に対して、どの程度耐えられるかを示します。

以上を確認したうえで、品質要件を満たしているか判断します。
そのため、品質要件は建築設計基準によって定められているのです。
参照:『建築基準法(構造耐力)第20条』

2.打設したあとに締め固める|密度を上げて強度を高める

コンクリートの打設後は、締め固め作業を行います。
締め固め作業により、以下の効果があるからです。

・コンクリートの密度・強度が高まる
・建物の耐久性や安定性が確保できる

締め固めは手押しローラーや振動ローラーを使用して行います。
以上のことから、コンクリートの打設後は締め固めが必要です。

3.作業完了後の養生|固まるまで乾燥や風雨から守る

コンクリート露出部は、直射日光や風雨から守る必要があります。
なぜなら、耐久性・劣化を防止できるからです。
養生期間は温度や湿度などによって異なります。

温度 普通ポルトランドセメント 混合セメントB種 早強ポルトランドセメント
5℃~9℃以上 9日間 12日間 5日間
10℃~14℃以上 7日間 9日間 4日間
15℃以上 5日間 7日間 3日間

コンクリート打設後の養生は、コンクリートの強度を上げるために非常に重要です。

コンクリート打設|よくある質問

コンクリート打設は雨の日大丈夫?

雨水がコンクリートに侵入すると品質が低下します。
ですので、雨の日の打設は避けるべきです。

コンクリート打設にかかる時間は?

通常では打設から約1週間あれば、コンクリートは十分に固まります。
30日程度経過すれば、確実に固まるでしょう。

まとめ

初心者でもわかるように、コンクリート打設について基礎的な知識を紹介しました。
建築の専門的な知識がなくても、今回紹介した内容を理解すれば、建物の耐久性や安定性が高まります。

以上のポイントを押さえ、安全で確実な作業を行いましょう。