お役立ちコラム

コンクリートの種類はどれくらい?用途・特徴・よくある疑問も解説

2023年06月28日

コンクリートには、多くの種類が存在するのをご存じでしょうか。
専門的知識のない方にとっては、本当なのかと疑問を感じるかもしれません。

コンクリートには、強度や固まる時間などによって多くの種類があります。
それらの種類によって、利用できる場所が異なってきます。
DIYでコンクリートを使うなら、それぞれの用途を理解しておきましょう。

今回の記事では、コンクリートの知識がない方にも、わかりやすいように説明しています。
個人でDIYをする方には、特におすすめなので、ぜひ本記事を参考にしてください。

コンクリートの種類はどれくらい?用途・特徴・よくある疑問も解説

 コンクリートの種類は7つに分類される

コンクリートの種類は7つに分類されています。
それぞれの用途を以下の表にまとめました。

分類 用途
普通コンクリート ・一般構造用コンクリートともいわれる

・比較的小さな断面に使用する

軽量コンクリート ・人工軽量骨材を一部使用し軽量化したもの
高強度コンクリート ・強度を高めたコンクリート

・超高層マンションなどに使用

流動化コンクリート ・流動性を増大させたコンクリート

・あらかじめ練り混ぜられたコンクリに流動化剤を添加

高流動コンクリート ・通常よりも使用する水を少なくし、高い流動性を有する
マスコンクリート ・質量や体積の大きいものを指す

・ダムや橋桁、大きな構造物を作る際に使用

水密コンクリート ・ダムやプールなど、水密性が必要な構造物に使用

それぞれの用途を理解した上で、選択する必要があります。

コンクリートの種類を配合・強度の面から解説

コンクリートの種類によって、どのような配合がされているかを解説します。
それぞれに特徴があるので、ぜひ理解しておきましょう。
また、配合方法と強度についてもまとめていきます。

1.配合面

コンクリートの配合は、普通コンクリートで「セメント1:砂3:砂利6」です。
以下では、各種コンクリートの配合面からわかる特徴を表にまとめました。

コンクリートの種類 特徴
軽量コンクリート ・比重がコンクリートに比べて軽い

・水セメント比が50〜65%になっている

高強度コンクリート ・強度を高めている

・セメントが多いコンクリートほど、強度が高く耐久性がある

流動化コンクリート ・流動硬化剤が混和している

・低発熱型の高ビーライト系のセメントを使用する場合が多い

高流動コンクリート ・流動性が高めにされている

・流動化コンクリート同様のセメントを使用している

マスコンクリート ・発熱量の少ない低発熱系のセメントを用いる
水密コンクリート ・水とセメントの比を制限し、透水性を低減している

・一般的には50%以下とされている

水の量が少ないほど強度のあるコンクリートが形成されます。
強度が高すぎると型枠に流し込みにくいので、柔らかく仕上げるのが一般的な方法です。

2.強度面

コンクリートの強度とは、圧縮、引張、曲げ、せん断、支圧などを総合し判断されます。

鉄筋との付着強度、複合応力に対する強度、繰返し荷重下の疲労強度なども重要です。

それぞれの強度を説明します。

・普通コンクリート…18〜45N/mm2が一般的な圧縮強度。圧縮には強いが曲げの力には弱いとされる
・軽量コンクリート…強度は普通コンクリートよりも劣るため、一般的に建物などには使用しない
・高強度コンクリート…一番強度が高く、60N/mm2までの強度が該当します
・流動化コンクリート…水の量が多いので強度は劣る。設計基準強度は33N/mm2とされている
・高流動コンクリート…流動化コンクリート同様普通コンクリートよりも強度が劣る
・マスコンクリート…大規模な構造物に使用されるので強度はあるが、厚みがあるのでヒビなどが入りやすい
・水密コンクリート…水セメント比の上限が50%以下である。水セメント比が小さいほど強度が大きくなる

上記を理解しておくと、状況に応じたコンクリートを選択できるようになります。

コンクリートの種類に応じた用途を解説

コンクリートにはたくさんの種類があり、用途に応じた選択には知識が必要です。

以下では、一般的な施工例を紹介します。
状況によっては当てはまらないケースもあるので、事前調査した上で使用してください。

・普通コンクリート…道路・鉄道、集合住宅・工場などの建築物
・軽量コンクリート…屋根の防水押え
・高強度コンクリート…超高層ビルといった高層建築物の下層階構造
・流動化コンクリート…プレキャスト工場製品
・高流動コンクリート…高層ビルなどの大型構造物
・マスコンクリート…ダムや橋桁
・水密コンクリート…プールなど水圧がかかる場所

上記で紹介した使用用途を覚えておけば、選択ミスのリスクは回避できます。

コンクリートの種類によるメリット・デメリット

コンクリートには多くのメリットがあるといわれますが、実際はどのようなものでしょうか。
デメリットと共に表形式で紹介します。

メリット デメリット
・防音・耐火面で機能性優れている

・メンテナンスが簡単

・結露が多い

・コンクリート打ち放しの住宅などは湿気が発生しやすい

最大のメリットは、メンテナンスが簡単で気軽に施工できる点です。
ただし、室内でコンクリート施工すると、結露が生じやすいので注意しましょう。

コンクリートの種類についてよくある疑問

コンクリートの種類はとても多いため、わかりにくい部分もあるでしょう。
コンクリートに関する疑問について解説していきます。

1.コンクリート・生コンクリート・セメントの違いは?

コンクリートを調べていると「コンクリート」「生コンクリート」「セメント」の区別に悩むのではないでしょうか。
それぞれの違いは以下の通りです。

コンクリート…セメントに水や砂、砂利を混ぜて硬質化させたもの
生コンクリート…コンクリ―トを硬質化させる前の状態
セメント…コンクリートの原材料の1つであり、石灰石・粘土・けい石・酸化鉄原料・石膏などで作られている

しっかり理解しておき、混乱しないようにしましょう。

 2.雨の日でもコンクリート打設はできる?

工事関係の仕事をしている方なら、雨の日は休みの印象があるかもしれません。
事実、コンクリート打設などの基礎工事は、雨の日は避けるケースがほとんどです。

なぜなら、コンクリートの配合は、水分量も考えて決められているからです。
そのため、雨水が入ってしまうと、水分量が増えて品質が落ちてしまいます。

3.季節によって使い分ける必要はある?

コンクリートの配合は、種類によって基本的な配合割合が決まっています。
しかし、季節によって配合量や種類を使い分ける必要も生じます。

その理由は、季節によって固まりにくい・固まるのが早いなど問題が発生するからです。
冬場は固まりやすくするため、夏場は固まる時間を遅らせるために使い分けをします。

まとめ

コンクリートの種類による用途の違いや、コンクリートを使用する際の注意点などについて解説しました。

コンクリートは、すべて同じように見えますが、用途に合わせて配合を変えて作ります。
メリット・デメリットを理解し、注意点なども把握して使用しましょう。
この記事がコンクリートの種類について、理解の一助になれば幸いです。